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【注意】行政受託のWEBサイト制作時の環境設定の流れが変わります
事例
ゼロワン・ドライブでは、雇用・採用・スキルアップ等の行政プロジェクトの業務代行を受託したお客様よりWEBサイト制作をご依頼いただくことが多くあります。
しかし令和6年度に弊社で請け負った事業にて、サイトの環境設定、特にサーバーとSSLの紐づけにおいて大きな変化がありました。
調べたところ、今後同様のやり方が導入されるとの情報がありましたため、事例としてご紹介させていただきます。
この記事を読んでいただきたい方
・行政からの業務委託を受注し、WEBサイト制作が必要になった会社様
・上記の会社様よりWEBサイト制作を請け負った制作会社様
目次
1. 令和6年6月から、ドメインは行政管理に
2. 行政ドメインのWEBサイト環境設定
2-1. 環境設定には約5週間必要
2-2. 環境設定の流れ
2-3. ドメイン取得・申請
2-4. レンタルサーバー契約・認証申請
2-5. DNS設定
2-6. SSL設定
3. さくらインターネットのコントロールパネルでのSSL設定方法
4. おわりに
1. 令和6年6月から、ドメインは行政管理に
これまでは、WEBサイト制作時にサーバーやドメインの契約、SSLの細かい設定等は受託会社様と制作側で進めておりました。
ですが、この春に経験したケースは、SSLの設定に厚生労働省が間に入り、そのやりとりを経ての設定となるということでした。
結論から言いますと、弊社が最初に契約していたエックスサーバーでは上手くいかず、さくらレンタルサーバーに乗り換えることとなりました。
(時間をかければできたのですが、公開までほぼ時間がなかったので…)
今回の事例を通して分かったことをまとめてお伝えいたします。
2. 行政ドメインのWEBサイト環境設定 *2024年4月時点の情報です。更新があれば修正いたします。
2-1. 環境設定には約5週間必要
まずお伝えしたいのは、この方法で進めると、WEBサイト公開の環境を設定するまでに約5週間必要だということです。
制作期間は含まれていませんので、制作は別の環境で進めておかなくては恐らく間に合いません。
弊社が請け負った過去の案件では、サイト公開日が、弊社がお声がけいただいた時点から1ヶ月以内というものもありました。
しかしこれからは環境設定だけで約5週間かかるので、仕様書に書かれたサイト公開目安時期まで期間が短い場合は、入札に参加する会社様は入札時点で行政の方に質問を入れていただければと思います。
そして受託後は速やかに環境設定ができるよう、ドメインの申請だけでもすぐ動いた方がよいと思われます(次の項目で説明します)。
2-2. 環境設定の流れ
①ドメイン取得
②レンタルサーバー契約
③DNS設定
④SSL設定
こう見るとやることは通常と同じなのですが、厚生労働省が登場する点がこれまでと異なります。
*実際にやりとりするのは、厚生労働省から本業務を請け負っているセコム(株)様ですが、ややこしいのでここではすべて厚生労働省の名前で説明します。
厚生労働省に申請したり、認証してもらったりという工程があるために、時間がかかります。以下ひとつづつ解説いたします。
2-3. ドメイン取得・申請
希望ドメインが決定した後、受託会社様(もしくは発注元の自治体様)から厚生労働省へ、ドメイン取得申請をします。
取得まで約2週間かかります。
2-4. レンタルサーバー契約・認証申請
ドメインを申請している間に、制作チームでサーバーを契約します。
ここでの注意点が、【外部SSLの設定ができるサーバーにする】というところです。
調べたところ、<さくらインターネット>のサーバーは、外部SSLの設定が簡単にできます。コントロールパネルの中に、設定機能があります。
<エックスサーバー><CPIサーバー>にはコントロールパネルにその機能がなく、直接問い合わせましたが、個別対応となりそうなため、できたとしても時間がかかると思われます。
サーバーを契約したら、制作チームはクラス/TYPE/IPを受託会社様へ提出します。
受託会社様から(あるいは自治体を通じて)厚生労働省へ報告し、契約内容を認証してもらいます。
2-5. DNS設定
ここも約2週間を要すると思われるところです。
厚生労働省が、先に申請しているドメインに対して、レンタルサーバーIPの紐づけをしてくれます。
完了したら受託会社様に連絡が来るので、受託会社様は制作チームへドメイン設定依頼をしてください。制作チームはドメインを設定します。
2-6. SSL設定
以下、<さくらインターネット>のレンタルサーバーを契約した場合のやり方になります。*実際のコントロールパネルでの操作方法は、別途記事を作成いたします。(準備中)
①制作会社は、サーバーのコントロールパネルで中間認証Key(テキスト暗号)を発行します。
②受託会社様は、中間認証Keyを厚生労働省に報告します。
③厚生労働省がドメインに対しSSL認証Keyの紐づけをし、SSLの最終認証Keyを発行します。
④最終認証Keyが受託会社様へ届くので、制作チームに渡してください。
⑤制作チームは、サーバーのコントロールパネルより最終認証Keyを設定します。
以上で環境設定ができました。
ここまで説明した環境設定の流れをフローにまとめましたので、ご参考になれば幸いです。
3. さくらインターネットのコントロールパネルでのSSL設定方法
別の記事で共有させていただきたいと思います。準備ができ次第、公開いたします。
4. おわりに
各案件とも、案件ごとに定められた行政の仕様書の下に動きますので、今年6月からのWEBサイト制作がどうなるかはその時を迎えてからでないと分からないところもございます。
ですが、今回の経験が今後のスタンダードとなる可能性があると捉えると、かなりよい事例でした。
同様のケースに突き当たった方のご参考になればと存じます。
ゼロワン・ドライブへのご質問・ご相談も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。